緊張性頭痛 |
2002年7月21日
<それって何?>
緊張性頭痛というのは、首、肩、頭の筋肉が緊張することで起こります。不自然な姿勢で仕事をしたり、社会的または精神的ストレス、疲労などでおこります。朝または午後早くから始まり、だんだんひどくなる。耐えられないほどではないけれど、いたみはずっと続いて(持続性)、とくに眼の上や後頭部に強いようです。頭のまわりりを、はちまきでぎゅーっと締めつけられるような感じです。注意する点は、緊張性頭痛はうつ病のカラダの症状として4番目に多いこと。あちこち医者を回って、良くならない頭痛は、うつ病のこともあるのです。
この頭痛を飼いならす(笑)ポイントは
@過労やストレスを避けたり
A頭痛がおこる仕組みを理解し
B職場の環境になじむこと
C首や肩のストレッチ体操をしたり、やチューブ体操で筋力アップ
その場の治療のポイントは
頭痛が始まったら、
@首、肩、頭の筋肉を軽くマッサージ(自分でやるのは面倒、だれか揉んで!)
A時間があれば横になり数分の間リラックスする。
Bバッファリンやイブなどの痛み止めをのむ(普通は良く効く)
だけど慢性の疲労、ストレスやうつ病が原因の頭痛は、鎮痛薬だけでは良くならないのは当たり前。
<事例紹介>
仲谷 綾さん(27歳女性)は、ある自動車部品工場に勤めています。彼女は最近、頭痛がとてもひどいので受診されました。色々お話をうかがい、血液検査や頭部CTを受けていただき、緊張性頭痛と診断しました。彼女のお仕事は、もっぱら部品の点検です。彼女の仕事のハードさを、チョッと共感してみてください。タイムスケジュールは次のとおりで、土曜もはたらくとのこと。
08:00ー10:00 作業
10:00−10:07 休憩
10:07ー12:00 作業
12:00ー12:45 昼休み
12:45−15:00 作業
15:00−15:07 休憩
15:07−16:45 作業
そして残業のあるとき。ほとんど毎日あるのですが・・・・
16:45−17:00 休憩
17:00−19:00 作業
管理人は「マッサージしたらよいですよ!」とワンパターンな助言をしました。でも7分しか休み時間がないので、渇いたのどをうるおすために、ジュースを飲んでタバコを吸うくらいで時間はないとのこと。
検査の工程は
@部品があるサイズや形のトンネルを通るかどうかを点検
A機械でガソリンが漏れないかをチェック。パネルの数字で判断する
B目視検査 部品を手にとって、目で見て不具合をチェック
彼女はもうベテランで、新人のころは1個30から40秒かかったのに、今は4〜5秒でできちゃうそう。人間のワーキングパワ−の柔軟性には驚かされますね!
でも、速くなればなったで、いまは1時間のノルマはナント600個!
実は、彼女の部品チェックが、その部品の最終工程なのです。だから、彼女のチェックをくぐりぬけた部品は海外のディーラーまで行ってしまう。だから不具合が判明しても、会社に苦情の報告がくるのは2ヵ月も後。怒られるのはまだしも、ミスへの対策書を書かされるそうです。作業がいっぱいいっぱいになってくると、家に帰っても仕事のことを思いだしてしまう。考えないようにしようと思っていても作業の場面が目に浮かんでくるそうです。この仕事についてから、寝つきが悪くなって、頭痛、肩こりがひどくなったそうです。
綾さんは要するに (長時間勤務 + 高密度作業)でワーキングパワ−が消耗しかかっているのですね!
電池ぎれしかかった携帯電話状態です。
これに職場の対人関係のストレスやプライベートな重荷がかかると、人によってはうつ病になります。
せめて休み時間が15分あれば、マッサージもできるのに・・・と管理人は思いました。
管理人は病気の説明をして、お薬を出すことしかできませんでした。
あとは産業医学の問題なのです、