スーパーマーケット  アルバイトの高校生

全国どこのスーパーでも、高校生のアルバイトがレジに立っているのはフツーの光景です。
彼らの苦労や、数少ない正社員の悩みを知ることも大事ですね。
このページでは、高校生アルバイトの実態を紹介しながら、本の第3章にかいた「スタッフのマネージメントという新しい職場ストレス」にもふれてみました。



@粗末な食生活
 8月の蒸し暑い朝、細身の高校生男子が胃が痛くて受診しました。
 驚いたのは彼の食生活。朝食抜きで、8時過ぎから近所のスーパーマーケットの青果部門でアルバイトをするのです。昼はバイト先で同僚のおばさん達と一緒になっ て、カッパえびせん、菓子パン、柿の種などを分け合い、コーラで済ます。夜 7時まで働いてからの夕食は、ようやく母親の手作りで、唐揚げ&フライ、炒め物、焼肉など。
 
A意外な重労働
 ビデオを見たり、テレビゲームをして寝るのは何と明け方の 4時から6時。2〜3時間しか眠らないので体重も減っていく様子。そして彼の胃は不規則な食生活ばかりか、残業のある長時間のアルバイトその ものに悩まされるのです。

 時給は700円で、残業や休日時間外にはプラス50円がつき、レタス やキャベツなどの生鮮野菜を包丁で切り、機械を使って発泡スチロールとラッ プで包むのが仕事。
 休むまもなくトラックから下ろされた西瓜などの青果をカゴ車(手 つきの搬送車)で、作業場所や店頭まで運ぶ。脚を動かせない立ち作業も多いので、 終業時の夜8〜9時頃には脚がかなり痛むといいます。 夏休みには9〜11 時間ははたらいて、学期中も午後5時から4時間ほどはたらくのです。

 彼によれば友人たちも皆、似たり よったりでフルタイムの長時間バイトに励み、中には 「重い物を運んで腰を痛 めてしまった奴もいる」 し、寝るのはみな明け方だそうです。こんなに苦労して稼ぐ のはクルマの免許のため。

 けれど自動車学校へ行くためといっても、時は夏休み。 朝まで遊ばなければ「心がもたない」のはあたりまえで、朝の3〜4時まで起きているのでしょう。
 さすが現代高校生、自立心旺盛ですが身体は大丈夫でしょうか? この上、世の中は彼らに奉仕活動まで求めるのですから大変です!
 
Bわずかな正社員の苦労
 また店内従業員のほとんどがアルバイトであって、正社員はまれな存在。
 スタッフの正社員は通常業務に加え、茶髪の少年少女や白い髪が混じり始めた中年女性達の労務管理をするけど、もちろん管理職手当てなしで・・・。

 ごく少ない正社員で流通業がなりたつようになった技術背景に、今のレジスターがあります。商品に赤い光を当 てるだけで金額が入力される。熟練はいらないので従業員はいくらでも置き換えがきく。レシートには担当者の氏名までが印刷されて、入力ミスの状態はもとよりレ ジに立つ回数までわかってしまうのです。

 こんな風にしてレジの生産性が高まると同時に、従業員の個人管理が機械化されて労務管理が簡単になれば、スタッフが職場のマネージメントをするようになり、レジは高校生に任せたところで問題はないのです。そうはいっても高校生は急に休んだりしますし、店頭でのトラブルなどは正社員が対応しなければなりません。自分よりずっと年上女性の職場での愚痴や悩みを聞いたり、あるいは彼女たちに必要な注意や指導をしなければならないので、流通業の正社員の方々は大変ですね!
 

 

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