新人ナースが1歳になるまで
                                     2002年4月2日
                                     DR ヤスナのメンヘル入門

新人ナースでない方、いえいえナースとは無関係な方もぜひお読みください!

注)新人ナースが今頃ネットサーフィンしているわけはナイ!

(メルヘンでなくてゴメン!)


その1 この春誕生!

 「おぎゃ―!」 と生まれたての赤ちゃんは、何でも吸いこむスポンジのように、この世に無邪気に生まれてきます。赤ちゃんは、みかけは無力のように思えますが、ちゃんとママとパパをはじめとした周囲の大人たちに、いろんなサインを送って積極的にコミュニケーションを求めてくるのですね。

さて皆さんも、この春ナースとしておぎゃーと生まれて、この業界に入ってくるのです。
赤ちゃん同様、大きな可能性を秘めているのですが・・・

誰ですか、「もとの3歳に戻して!」という人は? 
ともかく、皆さんは、生まれたての赤ちゃんとは違って、チョット寂しい色に染まっているんだよね。

いくつ当てはまるかな?

「寂しい子ちゃん」の5つのチャームポイント

1)他人にどう思われているのか、気になる(他人の目を気にする)、で
  (なにげに)気を使っちゃう

2)つい同僚(とくに同期)と自分を比べてしまう

3)自分が好きになれない、自分に自信がもてない

4)同僚とホンネで話せない

5)失敗をおそれて、傷つきやすい

2つ以上あてはまる「寂しい子ちゃん」でも、今日のお話を聴けばダイジョーブ!


ともかく、右も左もわからない(わかったら大変だ!)まま、走り回っている。

例えば;

(1)こんなこと聞いていいんだろうか?
と思ったときは、必ずきいた方がいいのに、きけない。それはナゼ?
寂しい子ちゃん、その1で悩んじゃうのです!

(2)ホンネで話せる人がいない
学生時代からの知りあいがいれば、まだしも・・・・
友人までいるのに、あのコは私よりテキパキやっている(ようにみえる)、
忙しそうに思えるので、話す雰囲気じゃあなくなって・・・
だんだん「寂しい子ちゃん」の色に染まっていく人もいる。

例) ホンネで話せるのはカレシだけなの、という人、ケータイで長電話しちゃう。
・・・ああ、解るよ、でもカレは大変だし、それじゃあ解決にはならないよね。

(3)こんな症状がでたら
眠れない、食べたくない、だるい、そして職場にいきたくない。
こういうのが強くなってきたら、それは「うつ病」かもしれないね。
ただ「行きたくない」てゆーのは「五月病」かもしれないけれど、これら3つのからだの症状が出たら、
ひょっとしてうつ病かもしれないヨ!

うつ病の知識 
女性の4人に1人、男性の7〜12人に1人はかかる。
これらの症状のほか、死にたくなっちゃうのだ。
日本で毎年30000人以上(交通事故の3倍強)、自殺する人がいるけれど、
95%以上は心の病気で、その多くはうつ病。

うつ病になりやすい性格は、ようするに「優等生」、とか「まわりを楽にさせる働き者」

@まじめながんばり屋さん 
A几帳面で手抜きをしない人
Bルールを守る正義感が強い人
Cまわりに気を使って、明るくほがらかにふるまう人
え〜?! びっくりでしょう?

(4)そうならないように

@早く帰って、早く寝る

A休みの日はしっかり休む。体を動かしたり、音楽を聴く、ひく
・・・休みの日は休むのが仕事なのだ。

B話せる人を見つけておく。いなければ親にでも話すか?

「なんかさあ、お姉さんみたいで何で話し聴いてくれて、まるで保健室の先生みたい」・・・
という人が職場にいるといいね。



その2 うまれて3か月ごろ

初めて夜勤に入るとき、初めて患者さまを看取る頃、いちばん辛いのはね。

亡くなる人を見るのも初めてだし、学校で習ったことが通じないような気がする(本当は経験をして、通じるようになっていくのだけれど)。

患者さんの急変時(最後)何もしてやれなかった・・・実はしているのだけれど、そう思ってしまう・・・ショック! どうして死んじゃうの!!・・・ワタシなんだか傷ついちゃった・・・こういう自分がなさけないし、みじめになる・・・そういう自分を責めてしまったりする・・・ワタシってナースに向いていないのかなあ?

こういう風に3か月の子どもナースは悩む。
悩むのがフツーだ!
でも、でも、でも眠れない、食べたくない、だるい、そして職場にいきたくないとなったら、それは病気かもしれないね。

悩みすぎたら、保健室、いや病院に行こう!



その3 3か月を乗り越えて

ともかく毎日職場にも行っている。
なんだか毎日があっという間に過ぎていく。
はじめは当てにされていなかったのに、いつもまにやら仕事が出てきて、ともかく時間がない。
忙しい、忙しい、忙しい!
昼ごはんを食べ忘れそうなくらい。
いやボヤボヤしていると食べそこねる・・・そんな毎日になったら

(1)先輩(プリセプター)とうまくいかないわ。何かきいていたのと違うみたい!
(2)ワタシの居場所はどこなの? あのコとも話せなくなっちゃった!

ということが多かれ少なかれ、おこってきます。
休憩室で食事するのがイヤ、気がひける、そういう気にならない時もあるはず。
そういう職場はチョット(大黒摩季・・・という字だったかなあ?)アブナイ職場かもしれない。

今までグチをこぼせていた同期のあのコは主任さんからほめられた。
プリセプターともうまくやれているのに、ワタシは失敗ばかりしているような気がする。

なんだか気楽に話せる人がいなくて・・・カレシのケータイに電話しても出てくれなかった!
というように他人と比較ばかりしている、「寂しい子ちゃん」はいませんか?
多少の失敗は婦長さん、かなりの失敗は管理職のドクターが助けてくれますよ!

ダイジョーブ! そんな事で仕事を失ったり、ましてや死んでしまうことはない
          ・・・と元気な今は、そう言われれば、そう思う。

そういう風に苦しまないように、その1の(4)に付け加えて

行事には出る。チョット見はうざい感じがしないでもない。
でもね、合宿とか、飲み会は出会いの場(!)、ストレス解消の場なのです。

「なんだあ!先輩もそんな事で悩んでたのか?」とプリセプターの先輩も
少しはかわいらしく見えてくるかもしれないヨ!



その4 プリセプターやっているナースへ

今日からあなたもカウンセラー
カウンセリングマインドってなに?
傾聴とは、ともかく耳を傾けることです。

@「どうしたの?」
Aあいづち、オウム返し、うながし

「どうしたの?」 という声かけから、あなたの仕事は始まるのです!
医療、福祉、教育だけでなく日本のすべての職場ではたらく人は、

「強さの仮面」、ビジネスマンでは「タフさの仮面」、
というのをかぶっています。

余りにも人事考課が厳しい、リストラにあいたくない、だから嫌なこともイヤ、とは言えず
体の調子が悪くても、元気そうなフリをしていなければならない、
そういうホンネを出さずに、まわり=職場に無理してあわせていくことを
強さの仮面をかぶっているといいます。

この「強さの仮面」、をかぶっている人は
自分からホンネをいえないのです。
そういうスタッフ、後輩がつらそうにみえたら

「どうしたの?」

と声をかけて上げましょう。

お話を聴くポイントは傾聴(けいちょう)の姿勢


あいづち    フンフンフン、そーなの、えーそうなんだ
オウム返し  そう悲しいんだね、
うながし    それから、それで、で

なに?     もう少しカウンセリングらしいことを覚えたいって?
要約      (これこれこういうわけで)辛いんだね。
         (そーいうことがあったから)わかってもらえてないって悲しいんだよね



ナースが一人前になるのには時間がかかる。
てゆーか、完成したカリスマ・ナースなんていません!

まず自分を大事にする練習をしましょう。

自分を大事にするとは、自分で自分にブランド物を買ってあげることではなく
まずは心と体の健康を大事にすることなんだよ!

何年目になっても、その1(4)は役立つはずだよ。