今時の子どもは
@無邪気ではないのに、妙に物わかりが良く、
そのくせ打たれ弱い。
つまり大人化しているのです。
ジコチュー(自己中心)のようでいて、
発散の仕方を知らない。
A難しい場面になると、自分で苦労をして計画を立てるのが
苦手。だから大人を頼ってしまう。
そんな時は従順になって、意に沿わないことを
求められても、
一種のあきらめで応じちゃう。
塾へ行ってしんどいのに、家に帰ってからも
「今から勉強しないと負ける」というわけで
自分に自信がもてない。
B愛情に飢えており、中学生なのにマジに抱っこして(!)
授業したほうがいいくらいだそうです。
C中学一年の母親は、
わが子に何ともいえない不安を持っている
よく聴くと、高校進学の不安
昔と同じかといえば少し違う
全体の3分の1は経済的な不安といいます
というのは私学の高校は1年間100万円かかるから・・・
この不況でいつどうなるか判らないので、
100万円を払うことに対する不安が
頭から離れないのでしょう
ちなみに上に書いた
@自分に自信がもてないことと
A愛情に飢えている
そういう人は、けっこう自殺志向があるんですよ!
って、ここだけ大人のメンタルヘルスでした!
それでは事例を見ましょう
13歳の男の子 症状は1カ月以上続く朝食前の胃痛。
夏の暑い7月下旬に小児科の先生から原因不明の腹痛のある
子どもを診て欲しいといわれました。
筆者が胃カメラをしたら、潰瘍も強い胃炎もなくて
NUD(俗に言う神経性胃炎)*でした。
*「職場のメンタルヘルスがとことんわかる本」29ページ
この子は学業は優秀でいじめもなく、教師とのトラブルも関係なし!!
とても素直で聞き分けのよい可愛い男の子でした。
大人も嫌がる胃カメラも立派にガマンして、一度もゲーしませんでした。
スズキ(管理人)の胃カメラの腕も当時はまあまあだったのです。
エヘヘ!・・・胃腸科をやってた頃、1万人胃カメラをやったのですよ!
それにしても我慢強くて・・・。
要するに周囲から文武両道を求められて、サッカー部に入った所までは
良かったのですが、朝が苦手な子で、
朝練がスゴーいストレスだったのです。
塾は週二日通っていた程度。
きかれたことに対して、うなづきで答えるばかりの、
自分の意見が言えないおとなしい子。
そういう意味で印象的な事例でした
つまり「嫌なことをイヤといえない」いわゆる優等生でした。
朝練のない日の朝は、まったく痛みがでないのです。
この子にとっては
@部活という環境に適応する「我慢つよい姿勢」はあるものの、
A嫌なものを拒否する「自立心」が育っていなかったのです。
成長の過程で親の期待、つまりガッツがあって、
しかも勉強のできる「良い子」であり続けるために、
嫌なものをイヤと言える自立心が犠牲になったのです。
しかし、生理的にダメなものはダメで、この矛盾が
胃痛を起こしたのですね。
この現象は適応課題と発達課題の矛盾といい、いわゆるよい子(ここをクリック)に生じやすいのです。
検査後に母親の許可をもらって朝練のない部活にかわると、
胃痛はケロリとなおりました。