職場のメンタルヘルス参考書

                                               2004年9月16日更新


他人の書いた本を紹介して、管理人のサイトを強化するのは、とっても心苦しいのですが・・・

良い本はヨイショ! する価値があります。

けれども、どんな良い本や、良いホームページにも限界や制約があって、

これ一冊ですべてが間に合う「メンタルヘルス対策に理想の本」が欲しいなんていうのは、完璧な恋人を求めるようなものですよね。

それから

本やホームページが主人公なのではなくて、これらの知識のかたまりを活用する皆さんが主役です。
「一つ一つの情報を、どうやって活用するか?」というKNOW HOWだけでなく「なぜ、そうするのか?」・・・というKNOW WHY・・・たとえば、「うつ病の患者さんを励ますことはなぜいけないのか?」が必要なのですね。
そうなって初めて、「職場のメンタルヘルス術」ができるのです。



日本の心―小泉八雲名作選集    

小泉八雲著 平川祐弘編
講談社学術文庫価格: ¥1,260 (税込)

何? ホラー? 違いますよ。ファンタジーの短編集。
耳なし芳一で超有名な小泉八雲は超一流のエッセイストでもあります。
とくに、この本の「夏の日の夢」は浦島太郎のお話ですが、
もう今風にお洒落な表現。
ウウン、ドラマ化すると、キャストは太郎クンはタッキーで、
波の上をすべるように近づいてくる姫は・・・姫は誰がいいでしょう?

明治社会に日本人以上に共感し、日本人以上に古い時代(江戸時代)の先進性(後進性じゃないっすよ!)に注目した、古い時代の新しい本。
すごく癒しになりますよ。
管理人は涙ぐんで読んだエッセイ集です。


カウンセラーのコーチング術

市毛 恵子
()
PHP研究所
1,365 (税込)

コーチングは一頃は大流行でした。今はアサーションの全盛期です。
「中途半端なコーチングのセミナーを聞いた管理職は、より強圧的に
教えようとする!」なんて皮肉もありますが、やっぱりコーチングは大事
です。ビジネスコーチングの本も何冊か読みましたが、管理人にとっては
本書がわかりやすく、応用がきくという点で一番でした。
もういちどコーチングを学びなおそうという方にも最適です。
なんてったって、メンタルヘルスはマネジメントですからね。



「境界性人格障害=BPD(ボーダーライン・パーソナリティー・ディスオーダー)―はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ」


ポール・メイソン (著)
星和書店 2800円
ISBN4-7911-0498-6

長ったらしい題の本ですが、今職場で問題になっている、境界性人格障害の人たちへの接し方について詳細に書かれています。ただし、職場の上司や同僚向けではなく、そういう人たちと接する家族、パートナー、友人向けです。日本では、専門職向けの本が出始めていますが、一般向けにどのように考え、接し、自分自身をケアするかについて書かれたものはありません。治療法が進んでいる米国の経験を、そのまま日本に当てはまめるわけにはいきませんが、このテーマでお悩みの方には役立つ参考書になるでしょう。人事労務の方、労組で相談業務に携わっている方は、一度読むと良いでしょう。一般向きですので、心理学や精神医学に関する予備知識は不要です。



軽症うつ病―「ゆううつ」の精神病理
笠原 嘉 (著) 講談社現代新書 価格: ¥720
うつ病研究の第一人者である筆者が一般向けに書いた本ですが、むしろ内科系の産業医もふくめた産業保健職に役立ちます。それは決して難しいという意味ではありません。わかりやすい表現の背後に深い科学的な蓄積があるのです。読む人の、それぞれの身の丈にあった知識と気づきが得られるでしょう。









「うつ病患者と家族の支援ガイド」


(株)プリメド社 2700円+税
ISBN4−938866-07-2

この本は大阪精神神経科診療所協会うつ病診療研究グループのドクターが編集したもので、
実際、患者様とご家族の方に、お役立ちな本なのです。
「メンタルクリニックはどこが良いの?」というわがままな疑問に答えてくれます。

管理人のサイトは、どちらかというと、健康なビジネスパースン(スタッフだけでなく管理職と労組役員の方)や、メンタル不調が治りかかった患者さまに、お役に立つよう心がけています。いわば、差別化しているのですね。

「うつ病患者と家族の支援ガイド」は、題名そのものがウリなのでお勧めできます。


ボートの三人男

ジェローム・K・ジェローム 丸谷才一 訳
中公文庫 544円+税
ISBN4−12−200351−2

まじに、実用書を求めるあなた! そんなに頑張りすぎるとうつ病になってしまいますよ!
1889年イギリスのビジネス街シティーの、気鬱にとりつかれた3人のビジネスマンたちが、どうやってワーキングパワ−を充電するかを描いた、抱腹絶倒の書。

彼ら三人はテムズ河をボートで漕ぎ出し、各地の観光地をめぐるのですが、井上ひさし氏も解説で激賞するほどの、ユーモア小説の極致。


充電とはまさにかくあるべし。



内科医のためのうつ病診療

野村総一郎 著 127ページ
医学書院 2500円+税
ISBN4−260−11825−0

 内科医でなくても、いえいえドクターでなくても、いっそのこと医療従事者じゃなくても読める素晴らしい本です。
管理人が「ビジネスパースンのメンタルヘルスに命燃やすぞ!」と決意するきっかけとなった本。
防衛医大の野村総一郎先生の名著です。
一般の方にとっても、非常にわかりやすく、含蓄に富む部分がたくさんあります。
キワモノ的な一般書を読むよりも、一流の人間が書いたホンモノを読むべきです。
もちろん読み進むには苦労がつきものです。
なぜならメンタルヘルスは科学ですから。
そうはいっても現代はWEBの時代、判らない言葉は検索すればよいのです。





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